社会科見学@汐留新オフィス
※当ページでは「令和5年度税制改正大綱」等において示された、2024年1月以降に抜本的拡充・恒久化されたNISA制度のことを新NISA(新しいNISA)と呼んでいます。
移転したてのオフィスを覗いてみた&新NISAについてもご紹介
2023年12月20日に開催した、eMAXIS オンラインファンミーティングのプログラム「社会科見学@汐留新オフィス」の模様をレポート形式でご紹介します。
今回は、2023年9月に汐留に本社を移転してから初めてのeMAXIS オンラインファンミーティングです。そこで、少しだけ私たちが働くオフィスをお披露目。新しい執務室や、たくさんのモニターに囲まれたトレーディング部、ラウンジスペースなどを順番に中継しました。
社内公募で命名されたフリースペース「ガーデン」では、ピンクがチャームポイントのeクマと常務取締役の代田がお出迎え…皆さまから頂いた新NISAやeMAXIS Slimに関する質問にお答えしました。
- 磯崎
- 進行役 デジタル・マーケティング部
- 代田
- 常務取締役
- 櫛木
- トレーディング部
注記) 下記の内容はそれぞれ参加者個人の意見であり、当社の見解ではありません。また、将来の投資成果を保証等するものではありません。投資に関する決定はお客さまご自身のご判断と責任のもとに行っていただきますようお願いいたします。
新NISAの特徴とその活用方法は?
NISA※は投資から得た運用益が非課税になる制度です。
2024年1月から新しいNISAが開始され、制度が抜本的に拡充・恒久化され、より使いやすくなりました。
新しいNISAの特徴は?
※つみたてNISA適格ファンドとは、低コストの投資信託に限定しており、購入時手数料・口座管理費用はゼロで、運用管理費用(信託報酬)が一定の水準以下などの条件を満たし、金融庁に届出しているファンドのことです。
*1 (2023年までのつみたてNISAに相当)長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託(金融庁の基準を満たした投資信託に限定)
*2 上場株式・投資信託等(①整理・監理銘柄②信託期間20年未満、高レバレッジ型及び毎月分配型の投資信託及びデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等は除外)
※上記は新しいNISAの概要を表示したものであり、全ての情報を網羅したものではありません。また、上記の説明は制度に基づく一般的なものであり、金融機関ごとに異なる対応となる場合があります。
また、作成時点における法令等を基に作成しており将来予告なく変更されることがあります。
新しいNISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類があり併用することができます。非課税保有期間が無期限になるため、たとえば若い方は20~30年後の資金のための運用も可能ですし、シニアの方はお子さんやお孫さんのために将来を見越した運用をすることも可能かもしれません。上限金額は、つみたて投資枠は毎年120万円まで、成長投資枠は240万円までで、生涯の投資枠は1,800万円になります。成長投資枠は1,200万円が上限ですが、つみたて投資枠だけを使って、毎年120万円を15年かけて1,800万円まで投資することも制度上は可能です。
非課税保有期間が無期限になったり、投資枠の金額が大きくなったりした点が、投資を継続して行っていくうえで非常に使いやすくなったといえますね!
そうですね、金融庁の本気が見て取れますね(笑)。国民の皆さまに日常のなかで投資が当たり前のようになる仕組みが整ってきたのかなと思います。
新しいNISA、つみたて投資と一括投資どちらがいいの?
新NISAについて、成長投資枠なら年間上限の240万円を毎月積み立てて買うことも、一括で買うこともできるという特徴があるので、「ドルコスト平均法のように積み立てで買うといいのか、それとも一括で買って投資するほうがいいのか」というご質問が来ています。何かヒントはありますか?
投資をする方それぞれの資産状況やライフステージ等によっても変わってくるのかなと思います。
たとえば、【株を50%・債券やキャッシュを50%】というポートフォリオを想定して、今までも株の運用をやってこられた方がこれまでの株を売却して新NISAを始めるという場合、期間を空けずにこれまでの運用を継続するほうが合理性は高いと思います。
一方で、手元にあるキャッシュを【株を50%・債券やキャッシュを50%】という状態に持っていくために、これから徐々に投資信託を買っていくというような場合、その年の成長投資枠の240万円を1回で買うか、毎月積み立てて買うかが論争になると思います。前提として考えたいのは、今回の新NISA制度では枠を使い切るのに最低でも5年かかるので、制度をフル活用しようとした場合は最低でも5年の時間分散が図られる形になっています。そのうえで、年間の投資枠を1回で買ってよいか、分割で買うべきかという議論です。学術的には早く資金をリスクにさらしたほうが、期待リターンがプラスであるのであれば、収益獲得の可能性が高くなるというのが通説です。つまり、値下がりを警戒して分割するということは、同時に値上がりの機会を排除することにもなりかねないんですよね。
ただこれは確率論の話ですから、一括投資のほうが必ずリターンがよくなるというものではありません。より慎重に投資を進めたい方は毎月少しずつ買っていく方法もありだと思います。これは個人の考え方次第ですから、難しいですね。
一括で買って、そのときにちょうどマーケットが下落し資産評価額がバーンと下がってしまったときに耐えられるか、ということも考えないといけませんね…。
ですから、本当に見解が分かれるところなんです。
長期投資を続けるには自分にとってストレスのない投資のやり方が必要です。正解はないので一人ひとりが自分に合った投資スタイルを考えていただけたらいいかなと思います。
eMAXIS Slimシリーズについて気になること、聞いてみた!
ファンドのコスト競争が激しくなっていますが、手数料(信託報酬率)が下がること自体は投資家の皆さまにとってメリットですよね。その一方で「ファンドの継続性が気になるのですが、繰り上げ償還などのリスクはないのでしょうか?」という質問もいただいています。
長期投資をしていくなかで、特に今回の新NISAは非課税の期間が無期限ですので、「償還されてしまうとどんなことが起こるのか」は気になる点だと思います。たとえば、1,800万円を投資して含み益が1,000万円出たとき、そのファンドが償還しなければ、2,800万円で運用を継続できます。ただファンドを償還されてしまうと、含み益の1,000万円は非課税で戻ってきますが、改めてNISAで非課税投資をやり直すことになります。NISA制度では年間で360万円のポートフォリオしか作れないので、1,800万円のポートフォリオを再構築する場合は最低5年かかります。またファンドの償還がなければ、含み益を含めて2,800万円を非課税で運用できていたのに、また1,800万からの運用になり、含み益分の1,000万円は非課税でなく課税投資をせざるを得なくなります。
弊社としても、途中で償還した場合にお客さまが被るデメリットは強く感じていますので、長く持っていただけるファンドについては途中で償還しなくてもいいよう、サステナブルな運営を心がけていきたいと思っています。コスト競争への対応としても、ファンドを運営しながらもビジネスとして中長期的に成立し得るような方法…たとえば、弊社として運用にかかるコストを少しずつ下げられるような努力を考えているところです。
また、ファンドの規模(残高)が大きければ、たとえ信託報酬率が低くても、最終的に私どもがいただける信託報酬額はある程度確保しやすくなります。実はインデックス・ファンドは、ファンド規模の大小でファンドを運用するコストがあまり違いません。そのため、規模を大きくするということが、ファンドを長く運営する1つのポイントだと思います。皆さまからさらにご愛顧いただき、ファンドの規模が拡大していきますと、さらに償還可能性も低くなると思います。
弊社もeMAXIS Slimシリーズを継続させる努力をすることで、皆さまへ投資機会をより広く提供していきたいと思っています。また、長くご愛顧していただけるように頑張っていきますので、引き続きよろしくお願いします!
トレーディング部を覗いてみた
トレーダーといえば、PCディスプレイがたくさんあるイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?弊社のトレーディング部も、まさにそのような環境で日々業務を行っています。「社会科見学@汐留新オフィス」では、トレーディング部についてもご紹介しました。
トレーディング部の業務とは?
トレーディング部は、ファンドマネジャーが作成した注文をトレーダーが受け取り、それをブローカーと呼ばれる証券会社に発注する役割を担っています。私は、外国株式と為替の発注を担当しています。
為替手数料、ネット証券とファンド内での保有ではどちらが安い?
「ネット証券で為替手数料をゼロにする動きがありますが、ファンド内で負担する場合と比較したとき、コストという観点ではどちらが有利ですか?」というご質問が来ています。
結論から申しますと、ファンドで取引するほうが有利ではないかと考えています。その理由は2つありまして、1つ目は、ネット証券は「米ドル為替手数料無料」などとされていますが、我々は全通貨について為替手数料がないためです。
2つ目は、ビッド・アスク・スプレッドがない値にて取引が可能なためです。通常、個人投資家が為替を取引するときは、為替手数料のほかにもビッド・アスク・スプレッドという、買値と売値の差額を負担する必要があります。一方で、基準価額のもとになる為替レートは、TTM※等、常に仲値で計算されているためその差額を負担する必要がなくなります。また、インデックス・ファンドなどにおけるベンチマークとして、「円換算ベース」などと表記されていることが多いですが、円換算もTTM等をもとに評価されているものです。我々は仲値に完全に一致させにいくようなトレードも目指していまして、取引量が大きければそれだけ有利な価格を提示いただけるなどの規模の経済が働きやすく、そういうトレードができれば指数との連動性が高まりますので、それがトラッキングエラーを減らすことにつながります。
※ 三菱UFJ銀行が公表しているTTM:(対顧客電信売買相場仲値)。
<NISAについて>
・NISA口座は、金融機関を変更した場合を除き、1人につき1口座しか開設できません。
・NISAは販売会社で非課税口座を開設する等、一定の条件に該当する方が対象となります。また、投資対象商品は金融機関毎に異なります。詳しくは、販売会社にお問い合わせください。
・NISA口座で買い付けた有価証券を売却した際に譲渡損失が生じても、他の特定口座や一般口座での譲渡益と損益通算をすることや、繰越控除をすることはできません。
・制度内容については、今後変更の可能性がある点にご留意ください。