Program2 ファンドマネジャーと話そう!「ファンドマネジャー交流会」
その後社内のリフレッシュラウンジにて、参加された投資家の方3名から質問をいただきファンドマネジャーがお答えするといった座談会を行いました。ここからは質問に対して実際の業務体制やファンドマネジャーの考えなどをご紹介します。
登場人物
- 野尻
- 進行役 カスタマー・コミュニケーション部 推進戦略グループ
- 樫村
- インデックス運用部 株式グループ(外国株式担当)
- 山内
- インデックス運用部 株式グループ(外国株式担当)
注記) 下記の内容はそれぞれ参加者個人の意見であり、当社の見解ではありません。また、将来の投資成果を保証等するものではありません。投資に関する決定はお客さまご自身のご判断と責任のもとに行っていただきますようお願いいたします。
本日はファンドマネジャー交流会にお集まりいただきありがとうございます。
今回はインデックスファンドマネジャーと投資家のみなさまで、普段聞けない業務の裏話や自身の投資についてなど質問を交えながら座談会形式で行っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
オルカンとオルセンはどのように保有すれば良いですか?併せ持つ意味はありますか?
※当ページでは、eMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)<オール先進国>を、略称「オルセン」と呼ぶことがあります。
私は好きな比率で保有したら良いと思います!
2つのファンドを簡単に説明すると、オルカンは日本を除く先進国株式、新興国株式、日本株式へ投資する3つのマザーファンド*1から構成され、オルセンにおけるオルカンとの違いは新興国株式へ投資するマザーファンドへは投資しない点ですので、新興国のリスクは除きたいと考えている方にマッチしたファンドとなっております。
なお、私個人はどちらも購入しておらず、日本を除く先進国株式、新興国株式、日本株式に連動するインデックスファンドをそれぞれ保有しています。理由は好きなタイミングで各地域のポートフォリオの比率を変更したいからです。ファンドを入れ替えたいときや売却を行うときに資産別に対応できるのが非常に便利だからです。
私はオルカンと米国株式(S&P500)に連動するインデックスファンド、日本を除く先進国株式のファンドを保有しております。足元、新興国のパフォーマンスは弱いように感じますが、時期で区切るとパフォーマンスがいいときもあります。そのため、時流や時勢を鑑みて相場が落ち着いたら新興国の比率、要はオルカンの比率を上げてもいいのではと思っています。
私も新興国の比率をどれだけ薄めたいかだと思います。みなさまの投資へのリスク許容度に合わせて選択されると良いと思いますね。
*1マザーファンド
ファミリーファンド方式の投資信託において、ベビーファンドに集まった資金の全部または一部を投資して運用を行う実質的なファンドのことです。運用の効率化を目的として、複数のベビーファンドの資金を集めて合同運用するためのファンドをいいます。
※上記は特定の資産構成を推奨するものではありません。また、個人の見解であり、必ずしも所属する企業や組織の立場、戦略、意見を代表するものではなく、掲載内容と同様の収益の獲得及び将来の運用成果を示唆・保証するものではありません。投資信託は、投資者のみなさまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のリスク・費用
eMAXIS Slim 先進国株式(含む日本)<オール先進国>のリスク・費用
8月の株価下落時は通常業務との差はどのくらいありましたか?
2024年8月5日の日経平均株価は10%以上下落したので、外国株式のファンドでも解約があるのではないかとあらかじめチームで予測し、行動していました。まず解約があった場合は解約金を準備しますが、解約金がファンドの口座にあるキャッシュの範囲内でしたら外貨を円に換えて解約金に充てます。しかし、解約金額が大きいとファンドが保有する現物株式を売却してそのお金を解約金に充てなければならず、その業務が発生すると繁忙になります。その対応として現物株式の売買案は事前に作成し、すぐに発注できるように準備していました。結果的に外国株式のマザーファンドから大きな資金流出はなかったので、現物株式を売却せずに済みました。
今回、オルカンは純資産残高の0.5~0.6%程度の純流出だったのでキャッシュ比率で賄えた形ですね。
私はあまりこの時の業務を覚えていません(笑)。株価下落時より総裁選のときのほうが大変でした。
私は逆に総裁選は覚えていないですね(笑)。
(笑)
そもそも業務体制を簡単に説明すると、6人のチームで発注作業のオペレーションとファンドのモニタリングを3人ずつ分かれて行っております。大まかに週替わりでメンバーが変わるので、その週にオペレーションをしなければ発注作業が大変なのか実感しにくいのがあります。
運用会社によってファンドの運用方法は異なりますが、ファンドごとに担当者がいる場合、担当者が休むとほかの人が運用を行う必要があり、引継ぎを行うなどの中で運用の濃淡が出てくる可能性はあります。しかし当社はチーム制で行っているので、運用の一貫性が保たれやすい体制で行われていると考えています。
個人的な感覚でいうと、ファンドの数と運用残高に比べたらファンドマネジャーが非常に少ない印象があります。外国株式チームでは先進国や新興国などすべてのファンドを6人でやっています!結構大変ですが、最低3人いれば運用はできるのも強みですかね(笑)。
大変な面はあるものの、いろんなファンドに触れられるので運用の面白さはありますね。
すみません、総裁選の話に戻りまして(笑)。
毎月末最終営業日は為替ヘッジを行っているファンドの契約のまき直し業務(ロールオーバー対応)を行います。これはその前日(月末最終2営業日)から準備をするのですが、先日の総裁選はその準備日でした。この業務は準備日の為替で対応するのですが、総裁が決定した15時以降に為替が大きく変動してしまい、準備していたものがすべてやり直しになり、非常に大変でした(笑)。
海外市場が休業日(マーケットが休場)の場合、銘柄の売買はどのように行うのでしょうか?
海外休業日があることが外国株式を運用するうえで難しいところになりますね(笑)。
オルカンの場合、アメリカやイギリス、香港が休日のときは申込みを全て停止しています。その他の投資国の休業日についてですと、基本的には、マザーファンドの規模が大きく、その国の現物株式をすぐに購入する必要がないので先物取引で対応し、その後すべての市場が開いている時に先物を売って、現物株式を購入することで先物比率を調整する等しています。
現物株式を購入する場合、オルカンでしたら組み入れている約2,600銘柄を一気に購入するわけではなく、売買コストを勘案して銘柄を絞りながら購入するので、市場が休みの国があったとしても、その国の株式を購入せずにポートフォリオを構築するなどして柔軟に対応しています。
新ファンド組成の際にも、複数の国に投資するファンドの場合は、どこの国の休業日をファンドの申込不可日にするのかを関係部で議論することは多いですね。
さらに休業日関連につきまして気をつけなければならないことがありまして・・・
休業日関連で言いますと、台湾や香港は台風によって市場が閉まりやすいため、気象情報等にも気を配りながら業務を行う必要がありますね。
市場が閉まる可能性がある日は朝から社内がバタバタしていまして、申込不可となったときには営業部では販売会社さんに当日の申込停止のお知らせを送る必要があるので、運用部以外も大変ですね。
営業部のほうが忙しいかもしれませんね(笑)。
また非常に特殊事例として、新興国などでは特定のイベントに際して、次の日をいきなり休日にするケースもあります。その影響で株式市場も休業日となったため、時事情報についてもアンテナを高くして業務を行わなければならないことを実感しました。
最後にみなさんが思う弊社や弊社商品の魅力をお伺いしたいです。
オルカンに関していうとネーミングセンスだと思います。オルカンと聞いたらすぐにこのファンドだとわかることが魅力ですね。
全世界株式ファンドを購入したいと思ったときに、かなりチャレンジングなコスト設定、いろいろなメディアの露出から、これしかない!と思ったのでオルカンを購入しています。
個人投資家と運用会社がここまで近い距離で接点を持ちイベントを行っていること、念願だったオルカンをみんなの要望で作ってくれたことが嬉しかったです。
みなさまの期待に応えられるようにこれからも切磋琢磨して頑張っていきたいと思います。
ありがとうございました!
市況動向および資金動向等により、上記のような運用が行えない場合があります。
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